米CIA長官、プーチン大統領と異例の会話 先週の訪ロ時に
(CNN) 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が先週モスクワを訪れた際、ロシアのプーチン大統領と会話を交わす異例の機会があったことがわかった。情報筋2人がCNNに明らかにした。バーンズ氏はウクライナ国境付近で進むロシア軍増強への米国の懸念を伝え、ロシア側の意図の確認を試みたという。
ロシアのペスコフ大統領報道官も8日、CNNに対し「そのような会話が電話で行われた」と確認した。会談の内容は「二国間関係、外交上の危機状況、地域紛争に関する意見交換」で、サイバーセキュリティーも話題に上がったという。
CNNは5日、ロシアによるウクライナへの軍事介入拡大の可能性に懸念が高まる中、バーンズ氏がモスクワを訪問したと報じた。
ロシアの動機について米政権内では意見が分かれている。ロシアが侵攻を準備している可能性があるとの見方がある一方、演習実施やウクライナへの威嚇が目的との見方もある。
ウクライナはロシアが通常のレベルを超えて軍備増強を進めていることを重要視しない姿勢を示している。同国の防衛省は、ロシアが「地域の軍事的緊張と隣国への政治的圧力を維持する目的で軍の移動や増強を行う慣行を示してきた」と述べた。
米高官2人によると、バイデン政権はロシア軍の増強が見られた今春以上に状況を懸念している。バイデン大統領は事態の拡大を抑止するため、バーンズ氏を2日にモスクワに派遣した。
ウクライナや欧州諸国で冬のエネルギー危機が予測される中、バーンズ氏はロシアが天然ガスの輸出を影響力行使に利用することへの米側の懸念も伝えた。