ロシアのプーチン大統領、ワクチン接種の加速を呼び掛け
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン大統領は12日、ロシアは新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させる必要があると述べた。ロシアでは新型コロナウイルスの流行が始まって以降で過去最多となる死者が出ている。
プーチン大統領は、先の議会選挙で選ばれた議員を前に演説を行い、ロシア全土で状況の悪化が続くなかで、議員に対し、ワクチン接種の啓発活動を行うよう促した。
プーチン大統領は、感染件数が多くの地域で増大し、医療の専門家は厳しい状況で働いていると指摘。ワクチンによって、新型コロナウイルスや重症化から自分たちを守れることはよく分かっているとし、ワクチン接種のペースを加速させることが必要だと述べた。
ロシアは世界に先駆けて新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクV」を2020年8月に承認していたが、国民に対するワクチン接種では世界に後れを取っている。
ロシアで12日、過去24時間に報告された新型コロナウイルスによる死者数は973人で、これは新型コロナウイルスの流行が始まって以降で最多の人数だった。
ロシアでは7日連続で新型コロナウイルスによる死者は900人を超えている。ロシアの新型コロナウイルスの作業部会によれば、公式に記録された新型コロナウイルスによる死者は21万8345人で、欧州で最多となっている。
ロシアの新型コロナウイルスによる死者の分類方法のため、実際に死者数はもっと多い可能性もある。ロシア連邦国家統計庁は新型コロナウイルスに関連した死者について、新型コロナウイルスが唯一の原因もしくは主な原因ではなかったものを記録している。しかし、作業部会はこれらを公式の死者数には算入していない。
ロシアの新型コロナウイルスへの対応を主導しているゴリコワ副首相によれば、1回目のワクチン接種を行ったロシア人は4780万人で、ワクチン接種を完了したロシア人は4240万人。ロシアの人口は約1億4600万人。
最近の世論調査によれば、ロシア人の52%がロシア製のワクチンについて接種しようとは思わないとの姿勢を示している。ロシアは外国製のワクチンは承認していないが、ロシア製のものは全国で利用できる。