ベラルーシとロシア、合同軍事演習 ポーランド近くで
ベラルーシ・ブルズギ(CNN) ベラルーシ国防省は13日までに、同国とロシアがポーランドに近いベラルーシ内で空挺(くうてい)部隊を動員した合同軍事演習を実施したと発表した。
「ベラルーシの国境線近くでの軍事活動の高まりに呼応した措置」と評した。ポーランドとの国境線には現在、移民らが殺到し、ポーランドが越境を阻止するためここ数日間に軍兵士約1万5000人を投入する緊迫した事態となっている。
欧州連合(EU)、米国や北大西洋条約機構(NATO)などは、ベラルーシのルカシェンコ大統領が欧米による人権侵害を理由にした同国への制裁に対抗するため、意図的に移民を国境線近くへ送り込んでいると推測している。
ベラルーシ政府はこれを否定し、逆に移民らの越境や人道的な窮状は西側諸国の責任と主張している。
ロシアの国営タス通信は、同国国防省の情報として12日に実施した演習でロシア軍空挺部隊の隊員2人が死亡したと報じた。強風を受けパラシュート開放に問題が生じたとした。
ロシアは、政治的かつ経済的に支えるベラルーシの移民対策を一貫して支持。ただ、自国による関与は否定している。
また、ベラルーシ支援の一環として10、11両日には同国領空に長距離爆撃機を飛ばした。ロシア国防省によると、爆撃機は両国部隊の地上指揮施設との連絡調整などの作戦に従事した。
ポーランド入りをうかがって立ち往生している移民らは2000人以上とされ、厳しい寒さのなか、森などに設けた間に合わせのテントにとどまっている。空腹や低体温症に襲われ、国連は「破滅的な環境」にあると警告している。