ポーランド・ベラルーシ国境の移民危機が深刻化 衝突で骨折、寒さで低体温症も

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国境に足止めされた移民ら。厳しい寒さを焚き火でしのぐ/Yuri Shamshur/TASS/ZUMA Press

国境に足止めされた移民ら。厳しい寒さを焚き火でしのぐ/Yuri Shamshur/TASS/ZUMA Press

ポーランド・ソクウカ(CNN) ポーランドとベラルーシの国境地帯で数千人の移民が立ち往生している問題で、ポーランド当局はこれまで国境を突破しようとする動きが数百回にわたり確認されていると明らかにした。同国は兵士1万5000人を現地に派遣してこうした試みを撃退。厳しい寒さの中、一部の移民が低体温症にかかったり骨折したりするなど、状況は深刻さを増している。

移民の問題をめぐり地政学的な論争にも拍車がかかる。欧州連合(EU)、米国、北大西洋条約機構(NATO)はベラルーシのルカシェンコ大統領がEUの東の境界で移民の危機を作り出し、域内を不安定化していると非難。ルカシェンコ氏の政権はこの主張を否定し、西側諸国のせいで移民らがひどい扱いを受けていると反論している。

ポーランドの国境警備隊は移民による越境の試みについて、9日の時点で600回近く記録していると説明。10日にかけての夜間にも、3度の大規模な動きが見られたと述べた。それぞれ100人以上の移民の集団が障害物の突破を図ったという。

国境警備隊の報道官は10日、記者団に対して、9人が拘束され、48人が直ちにベラルーシ側へ送り返されたと述べた。ポーランドのブワシュチャク国防相は、前日に閉鎖したクジニツァの国境検問所のベラルーシ側にまだ相当数の移民のグループがいると明らかにした。

現在、ジャーナリストや援助活動家はこうした地域に入ることができない。ポーランドが最近緊急事態宣言を出し、現場を立ち入り禁止区域としたためだ。地元の住民のみ、身分を証明する書類を提示した上での立ち入りが認められている。

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