ギリシャ、対トルコ国境に壁建設 アフガン情勢も念頭に
(CNN) ギリシャ政府は28日までに、隣国トルコとの国境沿いで進めていた長さ40キロの壁の建設工事が完工したと発表した。
アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが実権を再び握り、同国の移民や難民らの流入への懸念が高まっているなかで壁建設は緊急性を増していたとも述べた。
ギリシャは2010年代半ば、シリアやアフガン、イラクなどから移民、難民が欧州に大挙押し寄せる危機の主要な舞台ともなっていた。これ以降、トルコや国際機関によるより多くの難民らの受け入れ要請を拒む強硬姿勢に転じていた。
ギリシャ入りを目指す複数の移民希望者は昨年、CNNの取材に同国当局により追い返されたと証言。ギリシャ政府は再三、この主張を否定してもいた。
ギリシャは同国北東部の一部でトルコと国境線を接し、この地域はアジア西部を通過してくる亡命希望者の目的地ともなっていた。トルコも同じく流入してくる難民らの対応に苦慮している。欧州を目指す移民らが海路でギリシャに入国する経路も多数存在している。
今回築かれた壁の建設現場を視察したギリシャのクリソホイディス市民保護相は声明で、アフガンの混乱は地政学上の問題に新たな要素を加え、難民らの流入が起きる可能性につながっていると警戒。
「国家としてあり得る事態の発生に受け身であることは出来ない」とし、国境を安全に守り、違反行為を一切認めないのが国の決定であると強調した。
アフガンの首都カブールの国際空港では国外脱出を求めるアフガン人が殺到する事態も生じている。