ポーランド・ベラルーシ国境の移民危機が深刻化 衝突で骨折、寒さで低体温症も
シリア出身の37歳の男性は、ベラルーシからの3度の越境を試みた後、最近ポーランドに入国した。ビャウィストクの難民センターで取材に答えた男性は、4人のグループで国境に到着した時のことを振り返り、警備隊に殴られたと明かした。顔面を負傷し、鼻が折れ、胸にも打撲傷を負ったという。
最初の越境は失敗に終わったが、ベラルーシの当局者は男性の治療を拒否。ポーランドへ向かうよう再三告げ、ベラルーシの首都ミンスクには戻らないよう指示した。
その後、国境を越えようと入った森の中でポーランドの警察に捕まり、難民センターへ送られた。センターの対応は親切で、病院での治療を受けることもできたという。
一方、人権団体は移民らが寒さの厳しい環境に置かれているとしてポーランド政府を批判。当局が違法な形で移民を国境の外に押し戻す事例も数多くみられると指摘している。これに対し国境警備の担当者は政府の方針に従って対応していると反論する。
ポーランドの医療従事者で構成するボランティア団体のメンバーは、立ち入り禁止区域から数百メートル離れた拠点から移民への医療の提供を行っていると説明。これまで低体温症や脱水症、空腹、食中毒、脚の傷などを抱えた患者を治療した。患者には妊婦や子どももいたとしている。