ベネズエラで拘束の米国人男性、自殺はかり重体に
(CNN) 南米ベネズエラで2年近くにわたり拘束されている米国人男性が、自殺をはかって病院に搬送され、重体となっている。親族が明らかにした。
元米海兵隊員のマシュー・ヒースさんがテロ容疑で逮捕されたのは2020年9月。米国務省は誤認逮捕だったとみている。おばのトゥルーディ・ラザフォードさんによると、ヒースさんは自殺をはかって軍の病院に搬送され、生命が危ぶまれる状態にあるという。
ヒースさんの状態について家族に連絡があったのは20日だった。米政府からの連絡ではなかったとラザフォードさんは話し、「先週も政府高官3人との電話会議で、マシューの精神的・身体的健康状態について懸念を伝えたばかりだった」と打ち明けた。
さらに、「マシューの命が危険にさらされているのに、ホワイトハウスが緊急に対応する様子は全くない」と苛立ちを示し、「彼の13歳の息子に、ホワイトハウスが彼を救うことを大切に思ってくれないから、お父さんは帰ってこないとどう説明するのか」と問いかけた。
国務省報道官は「米国人がベネズエラで入院したという報道については認識している」としながらも、プライバシーを理由にそれ以上のコメントは避けている。
ラザフォードさんは、拘束者の家族の支援活動を行っているビル・リチャードソン元知事にも支援を求めていることを明らかにした。
リチャードソン氏はCNNに寄せた声明で、「マシューに米国で必要な治療を受けさせるため、マドゥロ政権に緊急医療避難を認めるよう働きかける」とした。
ベネズエラで拘束されたと伝えられた米国人はヒースさんを含めて少なくとも8人いる。このうち米石油会社の元幹部6人のうち5人は、逮捕から4年以上たった今も解放されていない。