作家ラシュディ氏、NY州西部で襲撃される 容疑者の身元特定
ラシュディ氏とともに討論に参加する予定だった非営利団体「シティー・オブ・アサイラム」の共同創設者も病院に搬送され、顔のけがの治療を受けた後、退院した。ウェブサイトによると、この団体は「迫害の脅威にさらされている亡命作家にピッツバーグで聖域を提供する」目的で創設された。
事件を受け、作家のスティーブン・キング氏やJ・K・ローリング氏などがツイッター上でラシュディ氏の回復を祈るコメントを発表した。
ラシュディ氏はインドでイスラム教徒の実業家の息子として生まれ、英イングランドで教育を受けた。まず名門パブリックスクールに通い、続けてケンブリッジ大で歴史学の修士号を取得した。
卒業後はロンドンで広告のコピーライターとして働いた後、1975年に第1作目の小説を出版した。
88年に第4作の「悪魔の詩」が出版されると、一部のイスラム教徒から冒瀆的とみなされ、抗議デモが起きる事態となった。89年には当時のイランの最高指導者、故ホメイニ師が「悪魔の詩」はイスラム教と預言者ムハンマドへの冒瀆に当たるとの見解を示し、ラシュディ氏の死を求める「ファトワ」(宗教見解)を出した。