米、インドにロシア離れを説得 兵器とエネルギー調達で
(CNN) 米国務省高官は25日までに、インド政府に対し兵器やエネルギー源の輸入でロシア離れを説得していることを明らかにした。
これまでの接触をへてインド政府当局者はロシア頼みからの離反が国益に実際寄与すると理解し始めているとの感触を得ているとした。
同高官は、インドは最初に兵器、その後はエネルギー源の確保について40年余にわたってロシアに傾斜してきたと指摘。その依存度は極めて非常に大きかったともした。
その上で「米国は兵器獲得などの多様化について手助け出来る選択肢でインド側と掘り下げた意見交換をしてきた」と説明。兵器供給面ではロシアは信頼し得る相手ではないとも述べた。
エネルギー問題については、米国はロシア産石油の市場での流通は望むものの、ウクライナ侵攻を支える資金源を封じるため市場価格での上限設定に同調するよう各国に求めてきたと主張した。
米国務省高官の今回の発言は、インドのモディ首相が今月16日、ロシアのプーチン大統領と対面会談し、「今は戦争の時代ではない」との苦言を直接伝えたともされる展開を受けたものともなっている。
インド、ロシア両首脳の会談は、ウズベキスタン・サマルカンドで開かれた上海協力機構(SCO)の首脳会議に合わせて実施された。モディ、プーチン両氏の首脳会談は今年になって初めてだった。
国務省高官はインド側の対応の変化などに触れ、ウクライナ北東部イジュームで発覚した虐殺疑惑はロシアの行動をこれまで黙認してきた諸国に再考を促したことを示唆。集団墓地で頭部を撃ち抜かれた女性や子どもら約500人の遺体が見つかる世界が震撼(しんかん)した惨事を受け、ロシアと密接な関係は持ちたくないと思うだろうとした。