ロシア軍、ウクライナ反攻への対応で意見割れる 米情報筋
ワシントン(CNN) ウクライナ軍の今月の進撃を受け、ロシア軍内でどのような対抗策が最善か意見が割れていることが分かった。米国の諜報(ちょうほう)に詳しい複数の情報筋が明らかにした。ロシアは現在、ウクライナ東部と南部で守勢に立たされている。
米欧の諜報に詳しい情報筋2人によると、ロシアのプーチン大統領は自ら戦場の将官に指示を与えている。これは現代の軍では異例の管理手法で、開戦当初からロシアに付きまとってきた指揮系統の機能不全を示唆していると情報筋は指摘する。
情報機関が傍受した通信では、ロシアの将校が互いに言い争ったり、母国の友人や親類とのやり取りで政府の意思決定について不満を漏らしたりする様子が確認できるという。情報筋の1人が明らかにした。
また、ロシア軍幹部はどの地域の防衛線強化に集中すべきかでも一致できておらず、戦略をめぐる深刻な意見対立が生じているという。
ロシア国防省は、ウクライナの進撃が最も目立つ北東部ハルキウ州に軍を移動させていると主張するが、欧米の情報筋によると、ロシア軍の大部分は依然として南部にとどまっているという。ウクライナは南部ヘルソン周辺でも攻勢を掛けている。
プーチン氏は21日、国民の「部分的動員」を発表した。最大30万人の予備役が招集対象になるとみられている。
ロシアの軍事専門家によると、今回の動員が戦場での作戦に違いをもたらすのか、あるいは結果は変わらず戦争を長引かせるだけに終わるのかは現時点では不明。