バイデン政権初の国家安保戦略、中国を「最も重大な地政学的挑戦」と位置づけ
(CNN) バイデン米政権初の国家安全保障戦略が発表された。中国を「米国にとって最も重大な地政学的挑戦」と位置づけ、今後10年の効率的な競争のためには同盟関係を再構築することが重要だと強調している。
バイデン大統領は世界情勢をめぐり、冷戦のような対立を避けようと努めながらも、米国やその同盟国と中国との対立が深まっているとの見方を打ち出した。
「世界中において、米国のリーダーシップの必要性はかつてなく高まっている。我々は国際秩序の未来を形作る戦略的競争のただ中にいる」。バイデン大統領は冒頭、そう記している。
「我々の未来を、自由で開かれ、豊かで安全な世界という展望を共有しない相手の意のままにさせてはならない」「世界でパンデミックと世界的経済不安の影響が長引く中、強さと目的をもってリードできる国は米国をおいてほかにない」
同戦略では、「最も差し迫った戦略的課題」として中国とロシアを挙げ、「ロシアはウクライナに対する残忍な侵略戦争が見せつけたように、自由で開かれた国際制度に差し迫った脅威を投げかけ、現在の国際秩序の基本的な法律を無謀に破っている」とした。
一方、中国については「国際秩序を再編する意図と、その目標を進展させる経済、外交、軍事、技術力の両方をもつ唯一の競争相手」と位置付けた。
ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者団に対し、米政府が「戦略的競争のプリズムを通してのみ」世界を見ているわけではないことをはっきりさせたと説明。「我々は、衝突や新たな冷戦に陥るような競争は求めていない」としながらも、手遅れになる前に中国が投げかける課題を見極めることが重要だと指摘した。