バイデン氏、マリフアナ単純所持の違反者に恩赦 非犯罪化への重要な一歩
(CNN) 米国のバイデン大統領が、マリフアナの非犯罪化に向けた最初の大きな一歩を踏み出している。選挙公約の通りにマリフアナの所持による過去の有罪判決を取り消すほか、このまま行けばマリフアナの危険物質としての区分が緩和される可能性もある。
バイデン氏は6日、マリフアナの単純所持で有罪判決を受けた全ての人に恩赦を与えると発表した。政府高官らはこの措置について、数千人の米国人が対象になるとしている。
発表は極めて重要な来月の中間選挙の1カ月前に行われた。一部の候補者は、マリフアナ合法化の問題を自分たちの選挙戦の中心に据えている。
今回の発表の一環として、バイデン氏は州知事らにも同様の手順を踏むよう促した。各州でマリフアナの単純所持の有罪判決に恩赦が与えられれば、影響を受ける米国人はさらに数千人増える可能性がある。
またバイデン氏は保健省やガーランド司法長官に対し、マリフアナが連邦法の下でどのように位置づけられているかについて「迅速な」検証を義務付ける方針。これが最初の一歩となって連邦政府の区分が緩和されるかもしれない。マリフアナは現在、ヘロイン、LSDと同じカテゴリーに分類されている。
バイデン氏は恩赦について発表する動画の中で「誰であれ単にマリフアナを使用した、あるいは所持したというだけで収監されるべきではない」「多くの州では合法だ。マリフアナ所持による犯罪歴は、不要な障壁となって雇用や住宅、教育機会を妨げてきた」と述べた。
またマリフアナを使用する割合は白人も黒人も同等の水準だが、それにより逮捕や訴追、有罪判決を受ける割合は黒人層が不均衡に高くなると付け加えた。
「あまりに多くの人生が狂わされてきたのは、マリフアナに対する我々の対応の失敗が原因だ。今こそ誤りを正さなくてはならない」(バイデン氏)
今回の措置を経ても、マリフアナが完全に非犯罪化されるわけではない。それでも大統領によって、マリフアナ所持に対する刑事罰の撤廃に向けた最初の一歩が踏み出された格好だ。マリフアナの完全な非犯罪化は、与野党双方の間で支持が広がりつつある。