米軍、アラスカ上空で「高高度物体」を撃墜 バイデン氏「成功した」
ワシントン(CNN) 米国の国家安全保障当局者は10日、バイデン大統領が米軍にアラスカ州上空を飛行する「高高度物体」の撃墜を承認したと明らかにした。バイデン氏はその直後、CNNに撃墜は「成功した」と述べた。
米戦闘機が米国上空を飛ぶ物体を撃墜したのは1週間足らずで2度目。4日遅くにはサウスカロライナ州沖で中国の偵察気球とみられる物体が撃墜されたが、バイデン氏が撃墜を決定したタイミングを疑問視する声が相次いでいた。
今回、バイデン氏はアラスカ州付近の物体を迅速に撃墜するという断固たる対応を取ったものの、物体の出所や機能については明らかになっていない。
米当局者によると、この物体は9日に最初に発見され、調査のためF35戦闘機が派遣された。米国家安全保障会議のカービー戦略広報担当調整官によると、物体は高度4万フィート(約1万2000メートル)を飛行しており、「民間航空の安全にある程度の脅威を及ぼしていた」という。
その後、10日午前にも戦闘機が物体への接近を試みた。2回の接近で得られた情報は「限定的」(カービー氏)だった。
バイデン氏が最初に報告を受けたのは9日夜。国防総省の勧告を踏まえ、バイデン氏は軍に物体の撃墜を命令し、軍が実行した。
物体は米北方軍に所属する戦闘機によって撃墜された。米当局者によると、カナダ国境に近い北極海の凍結海域の上空、アラスカ州北岸から約16キロの位置で撃墜に至ったという。米国は残骸を回収する方針。