米ポルノ女優にトランプ氏の弁護士費用1600万円の支払い命令 連邦控訴裁
(CNN) 4日に行われた罪状認否のため米ニューヨーク・マンハッタンの裁判所に出廷したトランプ前大統領は、およそ4800キロ離れた別の裁判所で、実質的な勝利を収めた。
第9連邦巡回区控訴裁判所はこの日、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズさんに追加の弁護士費用を請求するトランプ氏の訴えを認めた。ダニエルズさんはトランプ氏を相手取り、名誉毀損(きそん)訴訟を起こしていたものの敗訴していた。
裁判所はダニエルズさんに対し、トランプ氏の弁護士へ12万ドル(約1600万円)余りの弁護士費用を支払うよう命令。ダニエルズさんはこれ以外にも、50万ドル以上の弁護士費用支払いをすでに命じられている。
当該の民事訴訟はトランプ氏がニューヨークで起訴された件とは正式には無関係だが、どちらもダニエルズさんが絡んでいる。ダニエルズさんは2016年の大統領選中、不倫の口止め料として13万ドルを受け取った。トランプ氏は不倫を否定している。
ダニエルズさんは18年にトランプ氏を提訴。トランプ氏との不倫について口外しないよう見知らぬ男に駐車場で脅されたと主張したところ、トランプ氏がツイッターで告発は「完全な詐欺の手口」と指摘したことが理由だった。
同年10月に訴えを退けたジェームズ・オテロ連邦判事はトランプ氏の上記の発言について「政治や世間の言論に伴う『誇張』にあたる」として、表現の自由を保障した合衆国憲法によって守られているとの見解を示した。
この後オテロ判事はダニエルズさんに対し、約29万3000ドルの弁護士費用の支払いを命令。ダニエルズさんは控訴したものの敗れ、さらに24万5000ドルの費用の支払いを命じられた。
トランプ氏の弁護士を務めるハーミート・ディロン氏は4日、ツイッターで裁判所の判断を歓迎。トランプ氏に祝福の言葉を贈ると共に、ダニエルズさんの起こした訴訟の費用として弁護士事務所への合計60万ドル以上の支払いを確保したと明らかにした。