自家用機、旅客機と衝突寸前に 「30メートル内」の接近 米
(CNN) 米カリフォルニア州のサンディエゴ国際空港の滑走路上で、離陸の許可待ちの旅客機の真上を衝突が起きかねない至近距離で通過した自家用ジェット機が着陸する混乱が起き、米運輸安全委員会(NTSB)が滑走路への侵入の疑いで調査していることが17日までにわかった。
NTSBのホメンディ委員長がCNNの取材に述べた。両機間の距離は約30メートルの異常接近で、衝突の惨事の発生がかろうじて回避される事態ともなっていた。
委員長は「私やNTSBに大きな懸念を抱かせる事例。あり得る悲劇の発生を危惧している」と述べた。滑走路への侵入が疑われる事例は今年に入り今回を含め7件目となった。
米連邦航空局(FAA)によると、サンディエゴ空港の航空管制塔は自家用の小型ジェット機に滑走路27への着陸を許可。この後、米サウスウェスト航空の2493便に対しこの滑走路へ進入し、離陸開始の指示を待つよう伝えていたという。
FAAによると、「進行中の事態」を受けて衝突の可能性への不安が管制官たちの間に生じ、小型機に着陸を中止し、旋回飛行をするよう指示した。
管制塔と航空機の間のやりとりを追っているサイトが保持する管制塔の音声通信をCNNが調べたところ、小型機の操縦士は滑走路上にサウスウェスト機が待機していることを明らかに視認していた。
この操縦士は「着陸許可は依然有効なのか?」とも管制塔に質問。担当の管制官は「(着陸を待つ)旋回飛行」を求め、「(安全な着陸が確保出来ない場合などに適用される)手続きを踏むよう促した」という。これに対し小型機の操縦士は「了解。旋回飛行をする」と応じていた。
管制塔の担当者はこの後、連絡を待っていた同旅客機に滑走路への進入を許可していたという。
今回の混乱で負傷者は出ていない。