(CNN) ブリンケン米国務長官は16日、ロシアで服役中の元米海兵隊員ポール・ウィラン氏と電話で話し、「可能な限り早期に帰国させられるよう、全力を尽くしている」と伝えた。情報筋がCNNに明らかにした。
情報筋によると、ロシアで4年以上拘束されているウィラン氏がブリンケン氏と話すのは2回目。
ウィラン氏の兄弟のデービッド・ウィラン氏はCNNに対し、ウィラン氏が両親に「ブリンケン氏と長く、率直な話ができた」と伝えたと語った。会話の詳細は明らかにしなかった。
ウィラン氏の拘束について、米政府は「不当なもの」と認定している。同氏はロシア西部のモルドビア共和国にある刑務所から電話をかけることができるが、今回のブリンケン氏との電話がどのように実現したのか、情報筋は詳細には踏み込まなかった。
バイデン政権は8カ月以上前からウィラン氏解放のための提案をロシアに繰り返し伝えている。だがロシアは実質的に返答していないと、2人の政権関係者はCNNに語った。
ある政権高官によると、米政府はまだウィラン氏解放のための提案は有効だと考えている。だが、その後ロシア側から反応がなく、今年3月に米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシュコビッチ記者がロシアで拘束されたことも重なり、米国は別の提案を引き続き模索せざるを得なくなっているという。
この高官はさらに「この問題を解決する方法を見出す必要があることに変わりはない」「今ある方法で解決できないのであれば、国民を帰還させるために何ができるのかを考える必要がある」などと述べた。
米政府はゲルシュコビッチ氏についても「不当拘束」と認定している。