トランプ氏の詐欺責任認定、一族企業が影響を検証 弁護士は判断の不明確性訴え
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク州裁判所の判事がトランプ前大統領らによる詐欺の責任を認定する判断を下したことを受け、同氏の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションは、判断の影響が及ぶ範囲や同社の将来に与える意味合いを見極めようとしている。トランプ氏の弁護士が明らかにした。
同裁判所のアーサー・エンゴロン判事は26日、同州司法長官がトランプ氏やその家族などを訴えた民事訴訟で、同氏とその成人の息子らが約10年間にわたり虚偽の財務諸表を提供していたとして詐欺の責任を認定。一族が経営するトランプ・オーガニゼーションの事業認可を取り消した。
27日に行われた公判前審問でトランプ氏の弁護士は、同社のどの部分に今回の判断が適用されるのか分からないと指摘。判事の驚くべき決定に従って法人を解散する場合、どのような手続きが必要になるのかについて検討を開始していると明らかにした。
ニューヨーク州のジェームズ司法長官の事務所に所属する当局者らも、裁判所の命令を精査するのにもっと時間が必要だとの認識を示した。
裁判所の任命を受けて法人の解散を管理する財産保全管理人がトランプ氏の事業体をいつ管理下に置くのかトランプ氏側に明示する形で、エンゴロン判事は予定される日程を当初の10日以内から30日以内に延長した。
公判自体は予定通り10月2日に始まるとした。
トランプ氏の弁護士を務めるクリストファー・キセ氏は審理の中で、判事の判断により公判が改めて不明確なものになったと強調。トランプ・オーガニゼーションがいかに巨大な企業組織であるかを説明し、同社のどの事業体が今回の判断の対象となるのか判然としないと述べた。
訴訟の対象にはウォールストリートにある商業ビルやセブン・スプリングスにある自宅など、州内2カ所の不動産も含まれている。ただフロリダ州マール・ア・ラーゴのように州外にある不動産にどのような影響が及ぶのか、トランプ氏一族がニューヨークを拠点とする資産を州外の新会社に移転させた場合にどうなるのかなど、不動産の処分の進め方に関する疑問点も残っている。
エンゴロン氏によれば現時点で公判のために用意された証人は188人だが、被告側と州側の内訳や、全員が証言を求められるのかどうかは明らかにされていない。
ジェームズ氏の事務所は、130人の証人を用意していると述べた。一方で被告の弁護団から証人のリストの提示はされていないとした。
トランプ氏のチームは26日、エンゴロン氏の判断に対して上訴する方針を示している。