米南部国境で不法越境が40%急減、亡命申請拒む大統領令で
(CNN) 米国土安全保障省は26日、バイデン大統領が約3週間前にメキシコ国境での亡命申請を拒む大統領令を出して以降、1日あたりの不法越境者の拘束が7日間の平均で40%以上急減したと報告した。人数にして1日2400人を下回る水準となった。
関連データに通じる関係者によると、例えば今月24日には約1600人、前日には約1900人を拘束していた。
米政権高官たちは、この大統領令は不法越境者の人数が1日平均1500人を下回れば解除する方針を示している。
大統領令の内容によると、亡命申請は日ごとの許容件数に達した場合、それ以上の受理は禁じる。申請できなかった不法越境者は、特定の例外規定から外れれば、メキシコあるいは出身国へ送還される。
国土安全保障省によると、2万4000人以上を20カ国以上に空路で送り返したという。この送還作業の実施で、亡命申請に関する審査が進む間、これまで米入国を認めていた不法越境者の人数は65%以上も激減したと述べた。
また、越境者が多い現場や国境線の治安維持任務に出動させる米税関・国境警備局の要員も多くなったと指摘。公共の秩序に脅威を及ぼし得る個人の摘発に当たる人員も増えたとした。
亡命申請の審査作業の強化は、ギャング組織の一員として既に知られていたり、その疑いがあったりする人物の特定にも役立っているとした。これらギャングにはベネズエラの「トレン・デ・アラグア」が含まれるとした。ギャング所属が確認した場合、拘束され、早急な送還手続きが進められるとした。
一方、米自由人権協会の移民の権利問題担当の幹部はバイデン氏の大統領令に関連し、危険な目に遭っていることが信用できる越境者の亡命申請の審査も拒絶しているとの問題点に触れた。