密入国した移民400人、ISISと関係か 米当局が調査
(CNN) 米国土安全保障省は27日までに、密入国斡旋(あっせん)組織を通じて入国した移民400人超の身元を確認した。同組織は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と何らかのつながりを持っていた可能性があり、これらの移民に関してさらなる調査が必要な事態となっている。米当局者2人が明らかにした。
同組織の目的は人々の密入国であり、テロリストを入り込ませることではないと、当局者の一人は述べた。しかし、こことつながりがある組織は昨夏、ウズベキスタン人の一団を南部国境から入国させていた。その際に手引きをした人物はISISと関係を持っていたという。この事案は同年にCNNが最初に報じた。
今回の件で調査対象となっている400人の移民は、大半を中央アジアの出身者が占める。調査の目的はあくまでも密入国斡旋組織との関係を検証することにある。
マヨルカス国土安全保障長官は26日、記者団に対し、現時点で400人にISISとの接点は見受けられないと述べた。
当局者によれば、当該の400人のうち多くは移民対応に携わる機関により拘束されているが、現状米国に脅威をもたらすと特定された人物はいない。調査は現在も進行中。
米NBCが最初に移民の人数を400人と報じた。
米当局者はここへ来て、タジキスタンやウズベキスタンといった中央アジアからの移民に対する懸念を強めている。今月、当局は米国各地でタジク人8人を逮捕。逮捕に先駆け、容疑者らに対してはISISと何らかの具体的な関係を有していることが判明していた。
中央アジアにおけるISISの分派組織「ISIS―ホラサン州(ISIS―K)」は、指導部の大半がタジク人で構成される。最近タジク人が欧州で起こした一連の襲撃には、ISIS―Kの意向があったとされる。このうち、3月にモスクワのコンサート会場で起きた襲撃では100人以上が殺害された。