米ロス山火事、消火活動進むも「危機は脱していない」
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生している複数の山火事の消火活動は15日も続けられた。ロサンゼルス郡アルタデナの「イートン火災」の鎮火率は45%に上がったが、気象当局によると同日弱まった風は来週再び強まる恐れがある。当局は「まだ危機は脱していない」として、引き続き避難勧告などに注意するよう住民に呼びかけている。
ロサンゼルス市のバス市長は同日、火災はまだ終息していないとして、市民に警告や避難勧告を真剣にとらえるよう呼びかけた。消防当局は避難している人々が自宅に戻りたがっていることに理解を示しながらも、垂れ下がった電線や損壊したガス供給管、危険な物質、不衛生な水など懸念される状態が続いているとして、安全を最優先するよう促した。
記者会見で発言するロサンゼルスのバス市長=15日/Spectrum News
消火活動の一方で、被災地での捜索・救助活動も並行して行われている。ロサンゼルス郡のロバート・ルナ保安官は14日から始まったアルタデナでの捜索・救助活動の進ちょく率は78%に達したと明らかにした。捜索の対象となる家屋は推定5516軒で、16日までに終了する見込みという。
ロサンゼルス郡検視局によると、これまでにイートン火災とパリセーズ火災であわせて25人の死亡が確認されている。
火災で焼失した住宅と車両=13日、米ロサンゼルス/Agustin Paullier/AFP/Getty Images
消防当局の最新のデータでは、イートン火災の焼失面積は約5700ヘクタールにのぼり、住宅など4627軒が被災した。
火災で倒壊するアパート=8日、米カリフォルニア州アルタデナ/Jon Putman/NurPhoto/AP
米国立気象局(NWS)によると、17日には湿った空気が流れ込んでロサンゼルス一帯の湿度は上昇し、また風も弱まることから、週末にかけては火災の脅威は抑制される見込み。ただ、来週には40%の確率で風が強まることが予想されるという。