米国を襲った荒天で42人死亡、各地に竜巻や山火事の爪痕
(CNN) 過去数日にわたり米国を襲った強力な嵐が17日、勢力を弱めた。しかし、荒天によって引き起こされた竜巻や山火事によって各地で被害が出ている。
当局によれば、嵐に関連した事案により8州で少なくとも42人が死亡した。中西部ミズーリ州では12人が死亡し、最も死者数が多かった。カンザス州の死者が8人で続く。南部アラバマ州の大部分で大きな被害が出ており、3人が死亡した。
アラバマ州の住民は現地の様子について質問され、「大惨事だ」と語った。子どものときから振り返ってもこんな光景は見たことがないという。
海洋大気局(NOAA)での最近のレイオフ(一時解雇)や、連邦緊急事態管理庁(FEMA)に対する人員削減や組織改革の計画を受けて、米国の悪天候や自然災害に対応する能力について幅広い懸念が生じている。
今回の嵐は14日から中部と南部で多くの竜巻を発生させた。約80件の竜巻の報告があり、数十件が確認されている。今後数日かけて調査が行われ、最終的な竜巻の数が確認される見通し。
米国立気象局(NWS)によれば、南部アーカンソー州で、5段階で上から2番目に強いEF4の竜巻が二つ観測された。同州で複数のEF4の竜巻が発生したのは25年以上ぶり。
アーカンソー州では今回の嵐に関連して少なくとも3人が死亡した。
ミズーリ州のキーホー知事は17日、連邦機関からの援助を受ける前に必要な措置として、FEMAに対して被害状況の視察を要請した。知事の事務所によれば、同州では、死者が多いことに加えて、360軒以上の住宅が破壊されたほか、さらに350軒に大きな被害が出ている。
南部と東部の一部では嵐によって出た被害の片づけと調査が始まったが、テキサス州やニューメキシコ州などでは週末に発生した山火事を受けて新たな火災の危険に直面している。こうした州では植物が燃え広がりやすく、最大風速約26メートルの突風が吹けば、どんな火花も大規模な火災に発展する可能性がある。