米フロリダ州立大学での銃撃、容疑者について分かっていること
米フロリダ州立大学、銃撃の瞬間
(CNN) 米フロリダ州立大学の構内で17日に銃を発砲し2人を殺害、5人を負傷させたとされる容疑者について、当局は地元の保安官代理の息子だと明らかにした。法執行機関との訓練に参加し、銃撃前の数年間は若者を対象とした保安官の諮問委員会の委員も務めていたという。
フェニックス・イクナー容疑者(20)が拘束時に携行していた拳銃は、ジェシカ・イクナー保安官代理に支給されていた銃だった。複数の当局者や記録から明らかになった。
レオン郡の裁判所記録によれば、イクナー容疑者は不穏な子ども時代を過ごしている。10歳の時、記録の中で生物学上の母親とされている別の女性によって、米国からノルウェーに連れて行かれた。女性は子どもの養育権に関する合意に違反したとして、裁判所から禁錮200日の刑を言い渡された。
ウォルター・マクニール保安官は記者団に対し、イクナー容疑者がレオン郡保安官事務所の職員らと密接に付き合っていたと説明。多くの訓練プログラムに参加していたため、武器を入手できたことに驚きはないとした。
同事務所で18年以上勤務しているというジェシカ・イクナー保安官代理は、コメントの要請に対して返答しなかった。
2021年の報道向け発表によれば、イクナー容疑者が委員を務めていた「ユース・アドバイザリー・カウンシル」は、「レオン郡の若年層と地元の法執行機関との間に開かれたやり取りの場を設けるため」立ち上げられた。マクニール保安官はイクナー容疑者をカウンシルの「長年のメンバー」と形容した。
フロリダ州の有権者登録履歴によると、イクナー容疑者は共和党で有権者登録を行っている。1月にはフロリダ州立大学の学生新聞の中で、大統領就任前のトランプ氏に対する抗議行動に言及。抗議の参加者について「たいていはかなり滑稽で、正当な理由もないのが常だ」と述べていた。
政治学専攻の学生だという同容疑者はまた、記事の中で「もう手遅れだと思う。彼(トランプ氏)は1月20日に就任してしまうわけで、できることは限られている。反乱でも起こすなら別だが、そんなことは誰も望んでいないだろう」とも語っている。
裁判所の記録によると、イクナー容疑者と前出の生物学上の母親は、共に米国とノルウェーの二重国籍を取得している。同容疑者は元々クリスチャン・エリクセンを名乗っていたが、後にフェニックス・イクナーに改名した。法執行機関の情報筋がCNNに確認した。
生物学上の母親は裁判所から言い渡された禁錮200日のうち170日を刑務所で過ごした後、2年間の「地域社会監督」、同じく2年間の保護観察処分を受けた。
この母親が過去10年の間に容疑者に接触したかどうかは不明。母親はコメントの要請に応じていないが、銃撃直後にフェイスブックへの投稿で容疑者の父親への不満を吐露。息子に何か問題がないかどうか連絡して尋ねていたにもかかわらず返事がなかったと訴えた。息子はフロリダ州立大学で学んでいるとも書き込んでいた。