シリア北部の都市で「決戦」か、アサド政権の命運握る戦い
(CNN) 内戦状態にあるシリア北部の中心都市アレッポでアサド政権軍と反体制派武装組織の集結が双方で進み、大規模な「決戦」開始が間近な情勢となっている。軍離脱の兵士で組織する反体制派「自由シリア軍」のクルディ副司令官が27日に明らかにした。
政府軍の増強部隊は国内各地からアレッポに集められ、総攻撃の構えも見せている。要衝であるアレッポ争奪戦の行方は、昨年3月以降に激化した反政府デモを厳しく弾圧してきたアサド大統領とその政権の将来を握るとの見方も出ている。
クルディ副司令官によると、反体制派の戦闘員らも地方部などからアレッポに結集し、政府軍との決戦に備えている。市内の多くの地域では人影が消え、路上には戦闘員の姿だけが見られる。住民は大規模戦闘の発生を予感し、郊外などへ逃げているという。
同市の住民は28日未明、政府軍は反体制派の支配地区への燃料や食料輸送を阻止していると証言。この住民は、政府軍は地区を包囲しており、電気も一部で止められ食料も底をついているとも報告した。
アレッポでは27日に一部の地域で戦闘が発生。反体制派「地域調整委員会」によると、同市のファルドス地区では政府軍が民家への無差別砲撃を行った。同組織によると、シリア全土では27日、計100人が殺害されたがうち少なくとも15人はアレッポ県の住民らとなっている。