シリア主要都市で車爆弾3件、多数死傷 自爆攻撃が激化か
(CNN) 内戦状態にあるシリア北部の拠点都市アレッポの主要広場で3日、同国政府軍を狙った車爆弾事件3件が発生、在外の反体制派組織「シリア人権監視機構」によると、少なくとも40人が死亡、約90人が負傷した。
シリアの国営メディアは、犠牲者は34人、負傷者は122人としている。政府と反体制派は4番目の車爆弾事件が同市の商工会議所近くで起きたとも述べたが、死傷者の有無は伝えられていない。
同国に拠点を置く過激派「ヌスラ戦線」がサアダラ・ジャビリ広場付近での車爆弾事件への関与を認め、自爆攻撃と主張した。また、イスラム過激派系のサイトに載せた声明で、シリア軍の制服を着た戦闘員による襲撃も続いたと述べた。
ヌスラ戦線の動向を追ってきた専門家によると、この組織はアルカイダ系の「イラク・イスラム国」と密接な関係が疑われ、過去数週間、自爆攻撃の準備を重ねてきた。今回の連続的な車爆弾攻撃は同組織がこの種のテロの手口に習熟し始めた兆しとも見ている。
ヌスラ戦線の声明によると、3日の攻撃は5時間内に集中、最初の車爆弾を爆発させた後、戦闘員の襲撃があり、2、3件目の車爆弾攻撃と続いていた。
シリア内務省の声明によると、2番目の車爆弾事件は現地時間の3日午前8時17分ごろ、政府庁舎近くで自爆犯が500キロの爆薬を積んだ車両をさく裂させた。同市の施設近くに迫撃砲の砲弾2発が着弾したとも述べた。
シリアの商都ともなっているアレッポはアサド政権の強固な拠点とされてきたが、最近は攻略を目指す反体制派との間で激戦が続いている。同市の掌握は双方にとって大きな戦略的な意味を持つ。