香港沖の船衝突事故、死者38人に 船員7人逮捕
(CNN) 香港島南西に位置するラマ島沖で1日夜に2隻のフェリーが衝突した事故で、香港当局は2日、乗客の安全を守らなかったとして船員7人を逮捕した。事故による死者数は38人となり、香港では過去40年で最悪の事故となった。
衝突したのは香港島からラマ島に向かう客船と地元電力会社所有の船。後者には同社の従業員が国慶節(建国記念日)の祝賀イベントを見物するため乗っていた。
当局によると、衝突は午後8時20分ごろ発生。救助隊はこれまでに123人を救出した。
衝突後、電力会社の船はまもなく船尾の方から沈没し、船体が海面から直立した状態になった。CNNの系列局は、「水がすぐに入ってきた。もうだめだと思った。窓を開けて子どもを逃がし、救命胴衣を投げた。船が直立になり、テーブルやいすなどすべてがずり落ちてきた」と事故当時の混乱した様子を語る乗客の声を伝えた。
客船は衝突で船体に穴が開いたものの、無事港までたどり着いたという。同船の乗客に負傷者がいたかは不明。
今回の事故は、1971年に香港―マカオ間を航行するフェリーが台風により転覆し88人が死亡した事故以来、最悪の死者数となった。