イランで反政府デモ、通貨暴落に抗議 治安部隊と衝突
テヘラン(CNN) イランの首都テヘランで3日、通貨リアルの暴落や物価高を受けアフマディネジャド政権を批判する抗議デモが発生し、治安部隊と衝突した。通貨レアルの対ドル相場は先月までの過去1年間で約半分まで下落している。
同国のメヘル通信によると、治安部隊はデモを扇動したとして複数人を逮捕。欧州からの旅行者2人も、抗議に関する情報を収集し法令に違反したとして逮捕されたという。
テヘラン中心部にある市場に集まったデモ参加者はアフマディネジャド政権を批判し、物品や食料品の高騰に対する抗議の声を上げた。
抗議デモの前日、アフマディネジャド大統領は欧米諸国による制裁について、政権ではなく国民を傷つけるものだと主張、同国の経済が「心理戦の道具にされている」と語っていた。
同国の最高指導者ハメネイ師は3日、大統領の立場に賛同すると表明。同国を屈服させようとする圧力が高まっていると指摘した上で、「イランは圧力には決して屈さない」と語気を強めた。
米国務省のヌーランド報道官は今回のデモについて、「イランの人々が政権による経済運営の失敗と同国の状況に対して批判の声を上げていることを明確に示したものだ。状況を注視している」と語った。
米国や欧州連合(EU)はイランに対し経済制裁を実施し、同国が核問題で協議のテーブルにつくよう働きかけを強めている。
同国の通貨レアルは昨年9月から先月までの1年間で、対ドルで半分まで価値が下落し、今週も大きく下落している。