アルゼンチン、投票年齢16歳へ引き下げ 13年選挙から
ブエノスアイレス(CNN) 南米アルゼンチンの下院は10月31日、選挙権を与える年齢を現行の18歳から16歳に引き下げる法案を可決した。すでに法案は先週、上院を圧倒的多数の賛成で通過していた。投票年齢の引き下げは2013年の中間選挙から実施される予定。
法案成立によって約150万人の若者が選挙権を得ることになる見通し。来年の中間選挙では、下院の半分と上院の3分の1が改選される。
投票年齢の引き下げについては、中間選挙を来年に控えたフェルナンデス大統領と与党による票集めのための方策だとの批判がある一方で、若い世代に政治参加の機会を与えると評価する見方もでていた。
大統領寄りの正義党キルチネル派のエクトル・レカルデ下院議員は投票前、「法律は現実を反映したものであるべきだ。わが国で若者の政治参加が進んでいるという現実に照らせば、この方針は間違ってはいない」としていた。
一方、正義党反キルチネル派の議員は「アルゼンチンの最も深刻な社会問題は何かと聞かれれば、それは若者だ。教育や薬物、雇用といった問題は悪化している。10代の妊娠といった問題は、フェルナンデス政権の初期に比べずっと深刻になっている。なのに政府は今ごろになって若者に目を向け始めた」と否定的な見方を示していた。
当の若者たちの意見はさまざまだ。きちんと基準を持って候補を選ぶ自信があれば年齢は関係ないという声もあれば、学生時代は勉強が第一だから急ぐ必要はないとの声も聞かれる。