トルコ、NATOに防空ミサイルの配備要請 シリア内戦で
(CNN) トルコ政府は21日、隣国のシリア内戦に関連し、加盟する北大西洋条約機構(NATO)に対し国境周辺の防衛強化を図るため地対空ミサイルシステム「パトリオット」の配備を要請したとの声明を発表した。
長引くシリア内戦の影響でトルコの国家安全保障への脅威などが生じたことを理由にしている。要請は書簡の形で行われ、ミサイル配備は「正式要請」と位置付けている。また、この要請を受けたNATO理事会が近く招集されるだろうとも述べた。
NATOのラスムセン事務総長は短文投稿サイト「ツイッター」で、トルコ側の要請は遅滞なく検討されると述べた。
同事務総長によると、トルコへ配備可能なパトリオットはドイツやオランダ、米国の3カ国が保有している。配備やその期間の決定はこれら3カ国次第との考えも示した。NATOのチームがトルコを来週訪れ、配備場所などを調べるとの見通しも表明した。
消息筋によると、ドイツが同ミサイルを調達する可能性がある。同国のメルケル首相は21日、国家問題に触れるいかなる決定も議会の承認が必要と語った。
一方、トルコ外務省報道官はミサイル配備計画の一環としてNATO部隊がトルコを訪れるとの見方を示した。ミサイル配備は国境周辺の緊張を緩和させる予防措置とも強調した。NATOのパトリオットミサイルは1991年と2003年にトルコに配備されたことがある。
トルコは、シリア国内の戦闘に伴い砲弾などが領内に着弾する被害を過去数件受けていた。