イラク財務省などを民兵が襲撃、職員ら150人拉致か
(CNN) イラクのイサウィ財務相は20日、自宅や財務省の建物が同日「民兵組織」に襲われ、職員ら150人が拉致されたと明らかにした。財務相は「拉致された人々の身の安全を守るのはマリキ首相の責任だ」と述べ、議会に首相の不信任決議を求めるなど、首相に対する不信感をあらわにした。
襲われた自宅や事務所では、コンピューターや書類が荒らされた形跡もあるという。イサウィ財務相によれば、19日に警備責任者がバグダッドの検問所で理由が分からないまま身柄を拘束された後、警備が手薄になっていた。
イサウィ財務相は、事件後マリキ首相と連絡が取れていない点を強調。「重要省庁のトップがこんな危機にひんしているのだから、(首相から)電話をかけてきて事情を聞くのが当然だ。事件を知らないとでも言うのか」と語った。
「マリキ首相に言いたいのは、あなたは協力関係や法律、憲法を尊重しない人間だということだ。拉致された人々の身の安全を守る責任はすべてあなたにあると考えている」と財務相は述べた。
財務相はまた、「拘束されたすべての人々の解放を要求するとともに、こうした恥ずべき違法行為への謝罪を求める」と述べるとともに、マリキ政権への不信任案を決議するよう国会に呼びかけた。
マリキ首相および報道官のコメントは得られていない。
イサウィ財務相は多数派であるイスラム教スンニ派の出身。マリク首相は少数派のシーア派だ。