4200人乗船のクルーズ船、火災で航行不能に
(CNN) 乗客乗員4200人あまりを乗せたクルーズ船「カーニバル・トライアンフ」が、メキシコ湾を航行中に火災を起こして航行不能になった。11日には米沿岸警備隊の船舶が現場の海域に到着し、タグボート2隻も救援に向かっている。
同船を運航するカーニバル・クルーズラインによると、トライアンフは10日午前、米テキサス州ガルベストンに戻る途中でエンジンルームから出火し、メキシコ北部のユカタン半島沖約240キロの地点で航行不能になった。現在は時速約3.1キロの速度で北東の方向に漂流しているという。
火災は船内の自動消火装置が作動して消し止められた。出火原因は現時点で不明。同船には乗客3143人、乗員1086人が乗船しているが、11日の時点で負傷者が出たという情報は入っていないという。
船内にいる妻と10日に話したという男性は、「船内は停電して水道も止まり、まだ何も口にできていないと妻は話していた。それなのにカーニバル社に電話すると、万事問題はないと説明された」と不安そうな様子だった。
一方、カーニバル社は、火災発生後は非常用電源を作動させ、基本的なホテル機能を提供するため補助電源を徐々に復旧させていると説明、トイレは一部が機能しており、エレベーターも作動しているとした。乗客にはホットコーヒーやある程度の温かい食事を提供しているほか、姉妹船からも食料や飲料の補充を受けているという。
同船はタグボート2隻にけん引されて、現場の海域から最も近いメキシコの港に入港する予定。到着は13日になる見通しで、その後乗客はチャーター機で米国に戻る予定だという。