急増する中国からのハッカー攻撃 米紙への侵入は「威嚇」か
香港(CNN) 米大手新聞社のコンピューターに中国のハッカー集団が侵入したという疑惑が浮上している。しかし、専門家によれば、こうした事例は氷山の一角に過ぎず、西側の企業や政府機関、海外在住の反体制派に対する中国からのものだとみられるサイバー攻撃の数は急増しているという。
最近の調査によれば、2012年第7~9月期に発覚したサイバー攻撃の3分の1は中国からのものだった。
ニューヨーク・タイムズ紙は先ごろ、中国の温家宝(ウェンチアパオ)首相一族による蓄財問題を調査していた時期から4カ月にわたりサイバー攻撃の標的になっていたと明らかにした。ウォールストリート・ジャーナル紙も、同紙のコンピューターが中国のハッカーに侵入されていたと報じた。
米国家安全保障局(NSA)の元職員で、中国で活動する外国企業にコンピューターセキュリティーについて助言しているトーマス・パレンティ氏は、ニューヨーク・タイムズへのサイバー攻撃と、過去の中国絡みのサイバー攻撃との共通点を指摘する。
パレンティ氏によれば、信頼できる送信元を装ったメールを使って侵入しようとする方法は、検索大手グーグルや米国の防衛企業に対する中国からの攻撃でよく見られるものだという。
今回の事件の調査関係者によれば、ハッカーはコンピューターに侵入し、同紙の全社員のパスワードを盗み、その内53人のパソコンにアクセスしたという。