中国の魅惑的なファーストレディー 彭麗媛さんの微笑外交
若手映画女優だった江青氏は、夫の絶対権力に便乗し、文化大革命の最中に政治権力のトップの座にまで上りつめた。そして、毛主席の晩年から1970年代末に逮捕・投獄されるまでは、共産党中央政治局委員として、中国の芸術・文化活動については最終的決定権を持つ独裁者であったとされる。
江青氏とは対照的に、80~90年代にかけて、鄧小平(トンシャオピン)氏や江沢民(チアンツォーミン)元主席、胡錦濤(フーチンタオ)前主席のそれぞれの夫人は、ファーストレディーとしては目立たない存在だった。
多くの中国人は、ファーストレディーのあり方を彭さんが大きく変えることを期待している。
中国社会科学院の李銀河教授(社会学)は、彭さんの美貌(びぼう)が共産党のイメージをより人間味のあるものに変えるだろうと指摘。共産党が国内外で彭さんをソフトパワーとして利用するだろうと予測している。
それでも、彭さんのファンたちは1つだけ小さな懸念を抱いている。「意図しないうちに、最高指導者である習氏より注目を集めるようになるかもしれない」というのだ。