スペイン王女聴取へ、国王直系子孫で初の捜査対象 横領事件
(CNN) スペインの裁判所は3日、クリスティーナ王女の夫が関与する公金横領容疑事件に絡み王女にも疑惑が浮上したため事情聴取などを行うと発表した。
スペインの予審判事は捜査権を持つ。王室の報道担当者によると、同国で民主政治が復活した1975年以降、フアン・カルロス国王の直系子孫が事件の捜査対象になったのは初めて。ただ、王女に対する今回の容疑は予備的なもので最終的に疑惑が晴れる可能性がある。
スペイン内外のメディアは、国民の人気が高い王室の一員である王女夫妻が絡む事件を大々的に取り上げている。
王女の夫であるイニャキ・ウルダンガリン氏は、非営利団体の公的資金を私的に流用した事件で容疑者として取り調べを受けている。同氏は容疑を否定している。王女の事情聴取は東部バレアレス諸島の地方裁判所で4月27日に実施されるとみられ、夫が率いる団体や別の企業を通じて調達した資金の管理や使途などに焦点が当てられる見通し。
裁判官は3日、昨年以来の追加捜査の結果を受け、王女の事情聴取を決めたと述べた。王室は同日、裁判所の判断は尊重するものの王女の容疑を撤回させるため法的な対抗措置を講じると発表した。
王女はカルロス国王の次女で、ウルダンガリン氏とは1997年に結婚。同氏はパルマ公爵の称号を持つ。
今回の事件では王室顧問の関与も疑われている。裁判所は今年、ウルダンガリン氏と氏の以前のビジネス相手に民事の損害賠償金が必要となる場合を想定して800万ユーロの保証金支払いを命じていた。2人がこれに応じなかった場合は資産凍結の執行となる。