バングラデシュのビル倒壊、死者増加は残骸処理の重機原因か
(CNN) バングラデシュの首都ダッカ近郊のサバール町で先月下旬起きたビル倒壊事故で、原因究明に当たる同国政府の調査委員会は4日までに現場での残骸(ざんがい)処理のための重機投入などが建物崩壊につながる大きな原因になったとする暫定調査結果を公表した。
国営バングラデシュ通信(BSS)が伝えた。重機投入に伴い、犠牲者も増加し始めていたとも指摘した。また、同ビル建設時に不良な材質の建築資材が使われたことも崩落の一因になったと主張した。
調査委の最終報告書は2日以内にまとまる見通し。
BSSなどによると、今回の事故は同国史上最悪の産業災害で、死者は3日に70人増え計510人に増加した。行方不明者も依然多い。救出された縫製工場の従業員らは2400人以上に達している。
事故に絡んでは、ビル所有者が建物の高さを3階分、不法に追加していた際に建設コンサルタントを務めていた技師を職務怠慢の容疑で逮捕。この技師は崩落前にビルの安全性が損なわれていたことを承知していたとされる。
また、サバール町行政当局の下で働いていた別の技師2人が倒壊前にビル内に亀裂が走っていたことを知りながら建物の安全承認をしていた容疑で逮捕された。インドへの逃走を図ったビル所有者、ビル内で操業していた縫製工場の経営者や幹部も逮捕された。
アパレル縫製はバングラデシュの輸出品の大基幹産業で、今回の事故は縫製業界での安全管理策に大きな疑問を投げ付け、国内では抗議活動も拡大している。