盲目の人権活動家、NY大を退職 「中国から圧力」
(CNN) 中国の「盲目の人権活動家」として知られ、現在は米国に滞在している陳光誠氏は17日、声明を発表し、同氏の存在によって中国との関係が危うくなると考えたニューヨーク大から客員研究員の職を辞するよう強制されたと明らかにした。一方、大学側は陳氏の見方を否定している。
陳氏によれば、大学側から今月末までに家族とともに大学を離れるよう求められたという。陳氏は「中国による圧力は昨年の8月か9月ごろにすでに始まっていた。大学はそのころには退職について協議を始めていた」と指摘する。
陳氏は大学が中国からの圧力に屈したと非難。ニューヨーク大は上海キャンパスの開設で中国と緊密に連携を取り合っていたとされる。
陳氏は、米国の学界における中国の影響力は人々が考えるよりはるかに強いと指摘。「米国における学界の独立と自由は独裁政権によって大いに脅かされている」と危機感を表明した。
一方、ニューヨーク大は陳氏の見方を否定している。同大の広報担当者は「陳氏の声明には、ニューヨーク大の意思決定に対する中国政府の役割について、間違っており、厳然たる事実にも矛盾したいくつもの推測が含まれており、非常に失望している」と述べた。
陳氏の任期についても1年限りのものだったとしている。
陳氏は昨年5月、自宅軟禁を逃れて渡米。ニューヨーク大が陳氏を客員研究員として迎え入れていた。