米国とタリバーンが協議へ、現状と見通しは
ムラー・オマル師のタリバーンだ。オマル師は2001年9月の米同時多発テロ以前にアフガンのリーダー(アフガニスタン・イスラム首長国の首長)だった人物だ。オマル師の側近のタヤブ・アグハ氏がカタールでの協議でタリバーン側の代表を務める。
・タリバーンはなぜ今になって交渉に応じたのか
タリバーンが2001年にほぼ勝利していた内戦は、多国籍軍の駐留により沈静化した。しかし仮にタリバーンが再び国全体を支配しようとして戦っても、今度はそううまくいかないかもしれない。
アフガンでは現在も水面下で内戦は続いている。それが再び表面化すれば、タリバーンは米軍の駐留の恩恵を受けてきたかつての北部同盟を相手にかなりの苦戦を強いられるだろう。つまり、彼らにとって戦うより協議に応じた方が得策ということだ。
・なぜ協議にこぎつけるまでこんなに時間を要したのか
米国はこれまでカタールでタリバーンと秘密裏に交渉を行ってきたが、アフガンのカルザイ大統領は度々自分が置き去りにされていると感じ、交渉の進展を妨害したとされている。またタリバーンもキューバのグアンタナモ米海軍基地に収容されているメンバーの釈放が期待通りに行われないと交渉に背を向けてきた。
・オマル師は今どこにいるのか。またオマル師の所在が重要である理由は