パキスタン、タリバーンの元ナンバー2釈放 和平交渉に弾みか
イスラマバード(CNN) パキスタン政府は22日までに、隣国アフガニスタンの反政府勢力タリバーンの創設者メンバーの1人で最高指導者オマール師に次ぐナンバー2だったアブドルガニ・バラダル師を釈放したことを明らかにした。
パキスタン外務省報道官がCNNに述べた。同師は2010年、パキスタン南部カラチ市で捕まり、極秘の場所に拘束され続けていた。カラチ滞在は、アフガン政府との秘密裏の和平交渉のためとされていた。
アフガンのカルザイ大統領の報道官は短文投稿サイト「ツイッター」で、バラダル師の釈放を歓迎すると表明。今後の和平交渉に弾みを付ける材料と判断しているとみられる。
パキスタン政府当局者は今月、同師を釈放する基本方針を明らかにしていた。
カルザイ大統領は国内和平の和平実現に腐心しており、今月にはパキスタンの首都イスラマバードを訪問、側面支援を求めていた。同大統領は一貫してバラダル師の釈放を求めてきたとされる。
タリバーンはパキスタン政府の同師を釈放する方針を評価。同組織の報道担当者は今月、CNNの取材に対し「前向きの動きである。情勢の推移を見極め、それなりの対応措置を講じる」との立場を示していた。
バラダル師は01年2月から国連制裁の対象人物に指定され、資産凍結や渡航禁止の処分を受けていた。国連は同師への武器類売却も禁じていた。