不明者数百人の生存絶望か イタリアで沈没の不法移民船
イタリア南部ランペドゥーサ島(CNN) 地中海のランペドゥーサ島沖で起きた不法移民船の火災、沈没事故で、イタリアの救助当局は6日までに、行方不明となっている乗客全員が船体の中に閉じ込められている可能性があると述べた。
事故ではこれまで111人の死亡を確認。イタリアの沿岸警備隊によると、155人を救出した。
同国議会の議員は生存者の話を引用し、船が転覆した3日朝、計518人が乗っていたと述べた。これが事実なら行方不明者は200人以上となる。
移民船は深さ約47メートルの海底に沈んでいる。船を調べた潜水士は下甲板付近で数十人の遺体を目撃したと報告した。救助作業は5日、強風と高波に襲われて中断した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、生存者はチュニジアやエリトリアの住民。ソマリアからの移民も乗り込んでいたとみられる。
生存者の話によると、船は出航してから13日後にエンジン停止に遭遇。近くを漁船が通過したが、救助はしなかったという。このため移民らは注意を引くため衣服や毛布を燃やしたが火が広がり、乗船者が船体の一方に殺到したため転覆したという。
ランペドゥーサ島はシチリア島と北アフリカのチュニジアの間に位置する。船はランペドゥーサ島から1キロも離れていない海域で沈没した。島は欧州諸国を目指すアフリカ大陸などの不法移民の経由地ともなっている。