温暖化対策会議でフィリピン代表がハンスト
サニョ氏はCNNの取材に対し、気候変動の全体像についてはまだ研究が進められている段階だが、フィリピン東部では大幅な海面の上昇が観測されていたと指摘。「科学的な実証を待つことなく行動を起こさなければいけないというのは防災対策の原則だ」「フィリピンだけでなく、気候変動の影響を受ける地域でどれくらい多くの命が失われなければならないのか」と問いかけた。
同氏はCOP19でも、地球温暖化に懐疑的な説を唱える陣営に対し、洪水やハリケーンや火災に見舞われている地域の現実を直視するよう促し、「それでも足りないというのなら、フィリピンで起きた事態を見てほしい」と呼びかけている。
フィリピンは2012年にも台風「ボーファ」でそれまでの同国史上最大規模の被害が出たばかり。サニョ氏は同年にカタールで開かれた締約国会議でも、その実態を指摘していた。
「それから1年もたたないうちに、さらに大きな台風が来るとは想像できなかった」とサニョ氏。自分はフィリピンの代表団だけでなく、「台風で命を落とし、もう自分では発言できなくなってしまった数えきれない人たち」を代弁していると訴えた。