フィリピン死者1774人に、ベトナム・中国でも死者 台風30号
フィリピン中部タクロバン(CNN) フィリピン政府は12日午前までに、同国を襲った台風30号(ハイエン)による死者が1774人、負傷者が2487人に達したことを確認した。同国の駐米大使が明らかにした。死傷者数はさらに増える恐れがある。
台風で家を失った人は同国全体で66万人に上るという。
被災地タクロバン市の市長は、「一部の遺体は今もがれきの中に埋もれたり、水に浮かんだままになったりしている」と述べた。人口約20万人の同市は壊滅的な被害を受け、近隣には捜索、救助要員がまだ到達していない地域もある。
台風30号はフィリピン通過後、ベトナムにも上陸した。ベトナム当局は12日未明、14人が死亡、4人が行方不明となり、81人が負傷したと発表した。
中国の国営新華社通信によると、同国南部でも台風30号に関連して少なくとも5人が死亡。豪雨による洪水が起き、家屋や農地に被害が出たという。
フィリピンの被災地では食料と水の不足が深刻化している。国連児童基金(ユニセフ)の担当者はCNNとのインタビューで、「現場の状況は凄惨(せいさん)を極めている」と語った。政府の報告によると、妊産婦30万人を含む250万人が食料を必要としている。