フィリピン死者1774人に、ベトナム・中国でも死者 台風30号
被災地のある女性は国内テレビ局を通し、「私たちの家は壊れ、父は落ちてきたがれきで亡くなった。どうか助けてください。できることなら食べ物を届けてください。何も食べる物がないのです」と訴えた。
地元議員によると、タクロバンに通じる道路には電線や樹木、あるいは家屋が丸ごと横たわり、支援物資を運ぶ車の行く手をさえぎっている。同市の先へ物資を届けるには空中から投下する必要がありそうだという。同議員はさらに、被災地から脱出しようとする住民の流れで道路が混雑し、交通が滞っているとも指摘した。
12日午前には別の熱帯低気圧が同国南部ミンダナオ付近を通過し、被災地周辺は再び豪雨に見舞われた。
国際社会からは11日以降、支援の申し出が相次いでいる。国連が2500万ドル(約25億円)、欧州連合(EU)が300万ユーロ(約4億円)、英国が1000万ポンド(16億円)、フィリピンからの出稼ぎが多いアラブ首長国連邦も1000万ドルの拠出を表明した。国連と米国の災害対策チームや在日米海兵隊、米軍横須賀基地を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンも現地へ派遣されている。