「W杯より住宅を」 サンパウロに抗議のテント村が出現
ただし、家賃の高騰はこの地区だけでなく市全体にみられ、必ずしもW杯の影響とは言い切れないようだ。
昼間は人影のまばらなテント村に、夜になると仕事帰りの家族や集会参加者が流れ込んでくる。W杯の試合を見るつもりはないという声も多い。
毎晩開かれる集会では、テント村の運動を率いる女性指導者が登壇し、群衆から歓声が沸き起こる。「W杯と新スタジアムが残す遺産は、高騰した家賃と住民を郊外へ追いやる流れだけ」と、指導者は訴える。
市内で繰り返される大規模なデモを受けて、政府は今週、低所得者向け住宅の建設計画を月末までに発表すると約束した。テント村の家族らは、約束が守られなければただちにデモに出動する態勢で、政府の動きを見守っている。