タイで乳児9人を保護、父は日本人か 代理出産施設など摘発
バンコク(CNN) タイ当局は違法な代理出産を摘発する一環として、体外受精クリニックなど2カ所を捜索して乳児9人を保護した。乳児は全員が日本人男性の子どもとされる。
捜索を受けたクリニックは、オーストラリア人夫婦を両親としてタイで生まれたダウン症の男の子の出産にかかわっていた。
タイの当局はこのクリニックのほか、複数の女性と乳児がいるという通報を受けて、バンコク市内にあるマンションを捜索。新生児から生後1年までの乳児9人と、赤ん坊の世話をしていたとされるタイの女性7人を発見した。
乳児は9人とも世話が行き届いていた様子で、公営の児童保護施設に保護されたという。
日本人男性は弁護士を通じ、赤ん坊は全員が自分の子どもだと主張、大家族を持ちたかったと説明しているという。
これに対してタイの保健当局は、「1人の父親が同時に9人も赤ん坊をもつのは極めて異常」と指摘。警察はマンションにいた女性たちから事情を聴いている。
タイの代理出産を巡っては、昨年12月にタイの代理母から生まれた双子のうち、ダウン症の男の子の引き取りを依頼人のオーストラリア人夫婦が拒んだと伝えられ、物議をかもしていた。
保健当局は7日の記者会見で、この双子の出産にかかわったクリニックが医療施設の設置に関する法律に違反していたことは明らかだと指摘。また、代理出産した女性とオーストラリア人夫婦の間に血縁関係がなく、女性が金銭を受け取っていたことも、医療協議会の倫理規範に反すると説明している。