「宇宙からの目」で犯罪捜査 衛星画像の活用進む
人工衛星はこれまでも一部の犯罪捜査に使われてきた。オーストラリア当局は10年以上前から、違法な森林伐採の取り締まりに衛星画像を活用している。
さらに近年は画像の解像度や信頼性が飛躍的に向上したことで、捜査活動に変革をもたらす可能性も指摘されている。
SAカタパルトの専門家によれば、衛星画像の解像度は5年前の時点で2~5メートル、最高でも1メートルほどだったが、現在では30センチの精度を実現している。同社では密輸などの組織犯罪を中心に、警察、治安当局と共同の試験運用を進めている。漁船による違法操業の追跡も、大きな活用分野だ。
解像度の向上に加え、人工衛星の大幅な増加も追い風となっている。より多くのデータが低コストで入手できるようになるからだ。同時に、他社との競争やアジアなどでの市場拡大にも拍車がかかる。