「宇宙からの目」で犯罪捜査 衛星画像の活用進む
(CNN) 人工衛星を通した「宇宙からの目」が、警察の犯罪捜査に威力を発揮する――。衛星画像の精度が上がるにつれて、そんなケースが増えてきた。一方では、個人情報保護の立場から懸念を示す声も上がっている。
英マンチェスターの警察は、同市近郊で起きた殺人事件の捜査に衛星画像を活用している。殺害された女性の夫が犯行を認め、道路沿いに遺体を埋めたと自供したものの、現場付近には広大な土地が広がっていた。
警察は遺体を捜すために発掘を始めたが、作業には高いコストがかかるうえ、一向に進展がみられない。そこで、英企業「SAカタパルト」が提供する高解像度の衛星画像を使うことにしたという。
ウサギの穴やキジ撃ちの弾丸の跡まで見つけられるという精度を生かして地面の状態を調べ、犯行の形跡が残っていそうな地点を特定する。警察幹部は「何カ月分もの無駄な作業を省くことができた」「私たちはこの技術によって次世代の犯罪捜査に足を踏み入れつつある」と語った。