原発事故後に自殺、東電に賠償命令
東京(CNN) 東京電力福島第一原発の事故による避難生活中に自殺した女性の遺族が東京電力に損害賠償を求めていた訴訟で、福島地方裁判所は26日、東電に約4900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
渡辺はま子さん(当時58歳)が自殺したのは原発事故の4カ月後の2011年7月。はま子さんは夫の幹夫さんとともに福島県川俣町の自宅からの避難を余儀なくされ、仕事も失い、生活を再建する見通しも立たなかったという。
うつ状態となったはま子さんは、灯油をかぶって自らに火を放った。はま子さんの遺体を発見したのは幹夫さんだった。
幹夫さんは2012年、CNNの取材に対し、「何もかも失った」と語り、避難を強いられ、仕事も妻も失ったと訴えていた。
福島地裁は判決で、自らの意志に反して生活の基盤を突然失ったことや、展望が見えない避難生活ははま子さんには耐え難かったとし、はま子さんの死と原発事故との因果関係を認めた。
東電は「渡辺はま子さんのご冥福を心よりお祈りします。判決の内容を精査し、引き続き真摯(しんし)に対応したい」との談話を出した。