福島第一原発の今、CNN特派員が訪問
福島(CNN) 東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年余り。今も高い放射線量が計測されるなかで収束作業が続く現場を、CNN東京支局のウィル・リプリー特派員が訪れた。同特派員の報告を紹介する。
世界で最も危険とされる場所のひとつ。福島第一原子力発電所を訪れるのは初めてだった。原発周辺は警察の検問所やフェンス、バリケードで封鎖されている。
数人のジャーナリストとともにバスに乗り、原発に最も近い「レッドゾーン」に入る。事故から3年以上たった今も、区域内は人けがなく荒れたまま。住民たちは事故発生後、短時間のうちに荷物をまとめて避難したきり帰宅できずにいる。この先もずっと長い間、帰れない可能性が高い。
区域内に通って来るのは、防護マスクと防護服に身を固めた作業員だけだ。バスの中から、道路沿いで汚染土を黒い袋に入れる重装備の作業員が見えた。かつてたくさんの作物が育っていた畑は今や生気を失い、黒い袋だけが果てしなく並んでいる。
この土地で恐ろしいのは、放射性物質を含んだ水が漏れ出し、土壌が汚染されても、危険が目に見えないことだ。原発内では作業員たちが危険な環境の中で、気の遠くなるような廃炉作業に取り組んでいる。