シリア空爆は「想定内」、ISIS戦闘員に単独取材
「アブ・オマル」を名乗るこの人物(29)によると、空爆を前にISISの本拠地は「ほぼ完全に空になっていた」とされる。「装備は一部を市民の居住区に隠し、一部は地下に隠した」という。
ISISのメンバーは外国人が多数を占めるとも打ち明けた。「フランス人は我々よりも過激だ」「フランスから来たにもかかわらず、まるで何年も前から『イスラム国』の一員のようだ」
アブ・オマル自身はイスラム国建国の目標を信じ、妻と3歳の息子を残して戦闘に加わった。最初は頭部の切断や無差別殺人といったISISの残虐行為も弁護しようとしたものの、その残虐さに耐えられなくなったと告白。米軍などがシリア北部のラッカでISISの拠点を空爆し、戦闘員が散り散りになった隙をみて逃げ出したという。
「70歳の部族指導者が私の目の前で殺された」「『イスラム国』はこのままでは続かない。14~15歳で加わる若者もたくさんいる。私の声によって考えを変えさせることができるかもしれない」。
そう語りながらも身震いした元戦闘員。背後から狙われるかもしれないという恐怖は今も消えない。