大量虐殺から9日 遺体散乱、避難者は窮地に ナイジェリア
チャド湖のカンガラ島には襲撃から逃れ、チャド湖を泳いで渡ろうとした住民1000人以上が流れ着いて孤立している。チャド当局は国連に対し、救助のための支援を要請した。
事件当時、村を離れていて無事だったバガ出身の男性は、島に流れ着いた住民と電話で連絡を取っているといい、「食料不足や寒さ、蚊が媒介するマラリアのため死にかけている人がいる」と訴える。
避難した住民3万人のうち、2万人はボルノ州マイドゥグリで野営している。さらに1万人がバガから約60キロ離れたモングノからフェリーで移動中だという。
武装集団に対しては、ナイジェリア軍が空爆などを行って占拠された地域の奪回作戦を展開中だと国家治安担当報道官は説明する。
これに対してバガ出身の住民は、「付近の住民から得た情報によれば、バガがボコ・ハラムに占拠されて以来、ナイジェリア軍の兵士は1人も見当たらない」と反論した。
ナイジェリアのジョナサン大統領は、今回の虐殺事件について何も言及していない。来月の大統領選を控えて先週、再選を目指し出馬すると表明した。
ボコ・ハラムに襲撃された地域は野党の地盤が大部分を占めることから、ジョナサン政権が十分な対応を行っていないと批判する声も出ている。