中国農村部で深刻化する留守児童問題、現地を取材
中国・安徽省巣湖(CNN) 多くの親が都市部に出稼ぎに出ている中国農村部で、村に残された「留守児童」が問題となっている。そんな留守児童問題の現状を探るべく、中国内陸部安徽省の村、巣湖を取材した。
巣湖で留守児童の世話をしているのは大抵、年老いた祖父母だ。6歳になる孫ルー・イミン君の面倒を見る72歳の祖母タン・シンインさんは、「この子を育てるのは本当に大変」とこぼし、高齢での子育ての厳しさを語る。
ルー君の母親は出産後に彼を捨てた。一方の父親は、はるか北方の山東省で大工として働いており、村に帰ってくるとしても年に1度だけだ。
中国では現在、こうした留守児童が、控えめに見積もっても6100万人はいるとされる。全児童の5人に1人に上る数字だ。留守児童の多くは、同世代の子どもたちと比べると、精神的な問題を抱える割合や問題行動を起こす割合が高い。
巣湖の村内を取材すると、老人と子どもだけが生活する光景が広がった。